賃貸職人の思い出-おばあさんとお孫さんのお部屋
この業界に入り25年も経つと
それなりに思いで深い出来事やお客様がおられたりします。
そんなこんなを少しづつ思い出しながら
ブログに綴りたいと思います。
お孫さんと過ごすためのお部屋探し
そのお客様との出会いは業界に入って2年目サラリーマン時代の事です。
記憶を頼りなので正確ではありませんが
お年はたぶん60代後半から70歳くらい?
高松市内から少し遠いところにご自宅があり(志度とかだったかな)
高松市内で学校から帰ってくるお孫さんの面倒を見るためのお部屋を探していました。
お孫さんが学校を卒業するまでの3年間くらいお部屋を借りたいとの話でした。
3件内見の中にとんでもない営業成績があげられる部屋が。。
資料をいくつかお出ししてその中から3件ほど内見に行くことになりました。
その中の1件にお部屋を管理する会社から報奨金が4ヶ月くらい出る物件がありました。
※空室が長期間になると仲介手数料の他に管理会社から報奨金が出る物件があるのです。
サラリーマン時代なので当然営業成績は気になるところです。
賃料55,000円くらいのお部屋だったので1件決めるだけでその頃のノルマの1/3を計算できることになります。
資料見るだけではどこもおかしいところがなく管理会社に聞いても長期空き物件なのでしか教えてもらえず、事故物件でもないとのことだったので、とりあえず現地を見てみることにしました。
現地を確認すると報奨金の理由が....
問題物件の現地に到着しました。
そのお部屋は1階だったのですが特にはどこもおかしいところは見当たりません。
おばあさんにお部屋を見てもらっている間に建物周辺をぐるぐる見てみました。
何も問題なさそうだな?
最後にアパートの2階への階段を上がってみて愕然としました。
ちょうど空室の真上の部屋の入り口にはがっつり防犯カメラが
そしてそれらしき表札。。。。
間違いない、原因はこれだと確信しました。
部屋に戻るとおばあさんはすでにお部屋を見終わっていて
事務所に帰ることになりました。
この部屋に入居してもらってはダメだ
さっきのことをおばあさんに伝えなきゃと思いながら営業車を走らせていました。
若しくは他のお部屋を気に入ってくれていたら。。。
そんなことを考えていたら「先ほどの部屋に決めたいから手続きをお願いします」とおばあさんに言われてしまいました。
僕おばあさんに謝りました。
「紹介していて申し訳ないけどあの部屋はお勧めできない。もう1回時間を取ってもらってお部屋の探し直しをさせてほしい」と
優しそうな雰囲気のおばあさんに自分の母親を重ねてみていたからかもしれませんが
謝りながら僕泣いていました。
その雰囲気に事態を察してくれたおばあさんは後日もう1回時間を取ってくれて
無事に他の部屋で契約することができました。
その部屋は手数料折半のお部屋だったので
営業成績的には最初のお部屋の1/10以下です。
勤めていた会社からは怒られましたが心の中では満足でした。
そして3年が経って...
それから3年ほどたっておばあさんがお孫さんも学校を卒業されて今日お部屋を明け渡してきましたと、ご挨拶に来てくれました。
「あなたのおかげで平穏な3年間を過ごすことができました。ありがとうね」
おばあさんを見送りながら僕また泣いていました。
話としてはこれだけです。
取るに足らない話かもしれませんが
ことあるごとにこの時のことは思い出します。
人の数だけ人生があって人の数だけ思いがある。
この時の気持ちはずっと忘れません。
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その中で培ってきたさまざまな経験や知識を皆様のお部屋探しにお役立ていただければと思います。他社とは一味違った切り口で正に職人技と呼んでいただけるように日々精進しています。
大海に石を投げるようなお部屋探しの指針になれるように。そして楽しくお部屋探しができるように。
「住まいを通じて一生のお付き合いを」こう思うからこそ代表である「私」が動きます。
HP全体を血の通ったものにしたいので掲載物件は限らさせていただいています。
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